ヘンリック・フィスカー産まれの兄弟、アルテガGTを撮った [1]

2021年の最初は…アストンマーティンではなく、アルテガのスポーツカーであるアルテガGTの話題から始めよう。
…今年もよろしくね!

アルテガとはドイツにある新興自動車メーカーのひとつで、2006年に設立されアルテガGTで話題になるも、2012年に破産の運命を辿った。しかし一度破産はしたものの、その後も企業としては存続しているようで、アルテガの公式ホームページもあり、電気自動車の製造を行っているようだ(アルテガ公式サイト)。

そんなドイツの小さな新興自動車メーカーの車が、ごく一時期ではあるが日本に正規輸入ルートが確立され、しかも、アルテガジャパンという日本法人まで設立された本格的に販売を行っていた。のだが…
日本での発売開始は2011年6月だが2012年6月にはアルテガは破綻してしまい、日本での正規販売期間は1年程度しか無かっただろう。その期間の短さからか、国内販売台数は僅か7台ほどとも言われている。

アルテガGTはヘンリック・フィスカーがデザインを行った。ヴァンテージとDB9のデザインを手掛けた彼だ。
今回は偶然にもフィスカーのデザインした2台が揃う珍しいシチュエーションになった。ヴァンテージのデビューは2003年、アルテガGTのデビューは2007年で、アルテガGTの方が後のデザインだ。デザイナーが同じとは言え、アストンマーティンは歴史ある自動車メーカー、アルテガは新生自動車メーカーなので全く異なるポジションの企業であり、そういった点も考えて見ると面白い。
伝統を背負うメーカーと、未来に向け新しい価値を切り開く開拓者では背負うものがランドセルと守護霊ほどに別物だ。

アルテガGTとV12ヴァンテージ

アルテガGTとV12ヴァンテージ

アルテガのデザインは自由だ。それはアストンマーティンのように既存の「らしさ」ではなく、寧ろこれからの「らしさ」を模索し創造するのがアルテガGTだからなのだろうか。いずれも美しい車である事に変わりは無い。

アルテガGT

キャビンが埋もれるように配置されている

アルテガGTとV12ヴァンテージ

アルテガGTとV12ヴァンテージ

ヴァンテージもアストンマーティンの新世代と担う重要なモデル(アストンはモデルが少ないからひとつひとつの重要度は必然的に高まるけれど)であり、アストンマーティンらしい上品さ、美しさを兼ね備えている。アルテガGTのデザインは実に有機的で、奥が深い。デザイナーの思考があらゆる所で具現化されていて、車を見ながらデザイナーとコミュニケーションをしているかのような気分になれる。

アルテガGTとV12ヴァンテージではサイズがだいぶ異なる。アルテガGTは全長4015×幅1882×高さ1180、V12ヴァンテージは4380x1865x1241で、全長は圧倒的にヴァンテージが大きいが、幅はアルテガGTが上回っている。ヴァンテージに比べるとアルテガGTの方が幅は広く、全長は短く、低い。理想的なスポーツカーのプロポーションが用意されているじゃないか!しかし前から見るとコンパクトに見えるのは、リアが大きく膨らんだデザインだからだろうか?ちなみにリアタイヤ幅は驚きの305だった。500馬力を超えるヴァンテージですら295だからかなり太いタイヤと言える。
アルテガGTの自由なデザインは、これだけの車幅が許された事も実現を助けているのかもしれない。これだけ大きければこのデザイン、できるわ。

アルテガGT

アルテガGT

アルテガGTはMRなのでフロントにラゲッジスペースがあり、驚くことにトランクリッドや一部のボディーパーツはカーボンファイバー製だった。トランク容量はケイマンの3分の2程度だろうか…?ポルシェって凄いね。給油口は右フロントフェンダーにあり、そんな所もリアエンジンである事を感じさせた。

まだ長くなりそうなので、今日はここまで。
もし何か読み足りない方は、ヴァンテージのデザイナーはイアン・カラムなのかヘンリック・フィスカーなのか?を調べた記事はいかがかな?https://ruland-ruland.com/astonmartin/181/

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