ローレンス・ストロールがアストンマーティン役員に就任

吉利はローレンスに破れたのか、アストンマーティンがローレンスを選んだのか。
このブログでも何度か記事にしてきた、アストンマーティンの身売りの話もようやく決着がついたようだ。
アストンマーティンが身売り(2019.12.06)
アストンマーティンは誰の手に(2020.01.16)

色々あったが、結局は株式の16.7%(1億8200万ポンド)、株主割当増資によって3億1800万ポンド、総額で5億ポンドの資金をアストンマーティンはストロール達から得る事になった。5億ポンドを現在のレートで日本円に換算すると、約700億円。今のアストンマーティンにはこれだけの資金が必要ほど苦境だったのだろうか。
それと共に、ストロールがアストンマーティンの経営執行役会長に就任する事となった。現在のCEOであるアンディ・パーマーは留任する。

F1におけるレッドブルとの関係にもこの件が影響した。それは、ストロールがF1チーム「レーシングポイント」のオーナーであり、今回の資金提供にあたってもF1への参戦が可能かどうかが焦点のひとつとなっていたからだ。アストンはレッドブルとの関係を解消し、レーシングポイントはアストンマーティンへと名前を変え、アストンのワークスチームとしてレース活動を行う予定だ。これによりアストンマーティン・レッドブル・レーシングの名前は、5年ほどで幕を下ろす事になった。
レーシングポイント、アストンマーチンとの“Win-Win”な提携プランを明かす – motorsport.com
https://jp.motorsport.com/f1/news/racing-point-details-plans-for-true-integration-with-aston/4696245/

他にも様々あるが、個人的に特徴的なものとしてはラピードのEVバージョンであるラピードEの計画が、2025年まで延期になった。
これら一件についての全般をAUTOCARが報じているので、そちらも読むと良いだろう。
【EV投資2025年まで延期】億万長者ストロール アストン マーティンの株式取得 長期計画、大幅変更 – AUTOCAR JAPPAN
https://www.autocar.jp/news/2020/02/04/472988/

他にもこの件に関して参考になるニュースを掲載しておきます。
アストンマーティン、資産家ストロール氏に少数株売却へ – Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-01-31/Q4YLQDDWLU6S01
アストンマーティンの経営執行役会長に就任するストロール、経営およびマーケティング面の改善を誓う – AUTOSPORT web
https://autosalon.tokyo/2020/02/02/9921619/

これだけインパクトのある資金調達、そしてストロールの役員就任となると、アストンマーティンの今後のスケジュールや方針も色々変わってくるのではないだろうか?良い変化になるか、そうでないかは今はまだ分からない。ストロールがどんな手腕を見せるかは未知数だが、期待半分、不安半分である。
これからも流浪の高級車メーカー、アストンマーティンをクルージングしながら気ままに追いたい。

ちなみに、このニュースによって一度は株価も押し上がったが、その後順調に下落。コロナウイルスの影響による市場の全面的なムードもあるとは言え、相変わらずアストンマーティンらしい値動きである。愛らしい。

株価

5億ポンドのつむじ風

最後に、この記事を紹介して今日はお別れとしよう。

“「5億ポンドの資金調達が完了次第、アストンマーティン・ラゴンダの取締役会および経営陣と協力して、会社の経営とマーケティングの各側面を見直し、改善することを楽しみにしている。新しいモデルの開発と技術への投資を継続し、需要を供給よりも優先するために生産のバランスを取り直していく」
「私と私のパートナーは、アストンマーティンが世界的な高級車ブランドの1つであると確信している。この資本と私の自動車産業と非常に成功しているグローバルブランドの構築における両方の経験の組み合わせは、時間が経つにつれて、アストンマーティン・ラゴンダのポテンシャルを満たすことになると信じている」 ”
ローレンス・ストロール 「アストンマーティンを再建させる」 – F1-Gate.com
https://f1-gate.com/astonmartin/f1_54697.html

おすすめ