アストンマーティンは誰の手に
以前、アストンマーティンが身売りされるという報道について記事にしました(その記事はこちら)。
これについて続報があった。
中国の吉利、アストンマーティンに出資交渉 FT報道-日本経済新聞
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO54306970R10C20A1000000?s=3
“中国民営自動車大手、浙江吉利控股集団が英高級車メーカーのアストンマーティンに出資交渉していることが10日、明らかになった。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。”
アストンマーティン買収を目指すレーシングポイントF1オーナー。交渉は最終段階との報道-autosport web
https://www.as-web.jp/f1/558244?all
“アストンマーティン買収に関する交渉を進めており、協議が最終段階に近づいていると、Bloombergが報じた。”
今まで一切話に出てこなかった中国のジーリーが登場。ちなみにジーリーはダイムラーの筆頭株主で、ダイムラーはアストンマーティンにエンジンを供給している(現行ヴァンテージやDBS、DB11等)。
日経新聞の記事にも“吉利はダイムラーとアストンマーティンの相乗効果の向上を期待しているもようだ。”とある。
さぁ、この話はどこに決着するんだろうか?
アストンマーティンは現在のアンディ・パーマーがCEOに就任して以降、拡大路線を歩んでいる。それまで、アストンマーティンは台数にはあまり執着せず、寧ろその台数が少ない事(希少性)さえ価値のひとつにしていた。お陰で全然遭遇しなくて寂しい。
それが現在の様に、台数を増やす方針に転換され、実際販売台数は増えた。
拡大路線は、急拡大とさえ言えるかも知れない。2014年のパーマーのCEO就任から、ハイパーカー「ヴァルカン」「ヴァルハラ」「ヴァルキリー」、車以外にボート、ヘリコプター、家具、不動産、建築にも進出している。
「事業の多角化に失敗して負債が膨らみ…」なんて、バブル後の日本でよく聞かれた展開にならないと祈ろう。ただ多角化と言えど、「ライフスタイルを提案する」という方向に受け取れるので、これはこれでありかなという気はする。けどアストンマーティンという小さなメーカーがここまで手広くやれるだけのパワーがあるのかという不安はある。
自動車では、最近SUVであるDBXがデビューしたけれど、これがアストンマーティンの明暗を分けると言っても良いかも知れない。アストンマーティンの財務計画において、DBXの成功が重要だからだ。
ロールス・ロイスがSUV「カリナン」の力により史上最高の販売台数を記録したように、DBXはアストンマーティンにとって救世主となってくれるのだろうか。
なってくれるといいね。
ロールス・ロイス・モーター・カーズ、2019年販売台数が過去最高を記録
https://www.rolls-roycemotorcars-nicole.com/news_event/20200108/
プレスリリース出すくらい、嬉しそう。
ベントレー、2019年の販売台数は1万1006台。7年連続で1万台超え達成 新型「コンチネンタル GT」が販売を後押し-Car Watch
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1229625.html
ベントレーみたいにSUVも、2ドアも売れてくれると良いんだけれど。