2020年はヴァンテージ70周年らしいけど、どこから70年なのか。

3月2日にアストンマーティンからヴァンテージ70周年のプレスリリースが発表された。「今年はヴァンテージ70周年で…」という話を、東京ミッドタウンでのイベントで聞いていたから知ってはいたけれど、えっ、ヴァンテージってそんなに歴史長かった??と思って、何を基準に70周年としているのか調べてみた。
VANTAGE: SPORTS CAR SUPERIORITY FOR 70 YEARS – Aston Martin | Pressroom
https://media.astonmartin.com/vantage-sports-car-superiority-for-70-years/

その結果、DB2 Vantageをスタートとして70年という事だった。そうか…そこから数えるか…。アストンマーティン、そう来た?
ヴァンテージは今でこそ独立した車種だが、過去に遡るとグレード名に過ぎなかった。その「グレード名としてのヴァンテージ」を「ヴァンテージ」として扱うのであれば、確かに2020年は70周年と言える。

個人的に、「ヴァンテージ」と聞くと、V8 ヴァンテージ(初代)、ヴァンテージ、DB7 V12ヴァンテージ、V8ヴァンテージ、V12ヴァンテージ…と、せいぜいここ40年くらいだろうというイメージだった。

さっきも言った様に元々は肩書からスタートした「ヴァンテージ」だが、今では車種名になっているのが非常にややこしい。アストンマーティンの言う「ヴァンテージ」は1951年のDB2 Vantageに始まり…
DB4 Vantage(1958年-)、DB5 Vantage(1964年-)、DB6 Vantage(1965年-)、DB6 Mk2 Vantage(1969年-)、AM Vantage(1972年-)、AM V8 Vantage(1977年-)、V8 Vantage Zagato(1986年-)、(ヴィラージュ)Vantage → V8 Vantage(1993年-)、DB7 V12 Vantage(1999年-)、V8 Vantage(2005年-)、V12 Vantage(2007年-)、Vantage(2018年-)…と70年続いてきた。という事らしい。

V12ヴァンテージ ザガート

私の大好きなV12ヴァンテージ ザガート

名前の連続性だけ考えると、そうなんだ。という感じにもなるが、ヴァンテージのポジションと言う点に目を向けると非常にややこしくなる。
今のヴァンテージは、アストンマーティンの中のエントリー車種であり独立した車種だ。先代ヴァンテージの登場時には「ベイビー・アストン」という表現も良く見られたくらいだ。しかし、更に昔はどうだったかと言うと…既存車種の高性能版としての位置付けがヴァンテージであり、エントリーグレードとは正反対だったのである。現在のグレード構成上で仮定すると、例えばDB11ヴァンテージ(DB11の高性能グレード)の様な扱いと想像するとイメージが掴みやすいだろうか。DB6辺りまでは、そのルール(高性能版=ヴァンテージ)にブレが無かったのだが…

この様に、ヴァンテージという名前ひとつ取っても随分ややこしい歴史を歩んできている。本当にアストンはそういう一貫性が無いケースが多い。ある時は上級グレード、ある時はエントリー車種。名前の歴史は長いが、「ヴァンテージとは代々こういうモデルです」という説明が不可能に近い。
だからヴァンテージを全て並べるとこうなるのであった。

ヴァンテージ

これら全て、何らかの”ヴァンテージ”だ

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