同じようで違うヴァンテージ – 時代による仕様の違いを探す
皆さんごきげんよう。いかがお過ごしですか。
久々のブログ更新、今日はヴァンテージのエクステリアの話をしましょうか。
ヴァンテージは、モデルライフの中で何度か化粧直しをしている。
エンジンが4.3リッターから4.7リッターに変更されたのが最も大きな変更だが、この他にも様々な変更がされている。
しかしその変更時期は曖昧で、「何年何月モデルからはこの仕様になりました」という明確な区切りが無い物も多く、
「ある時からオプションとして選択可能になった」、「それがいつの間に標準仕様になった」くらいの、緩い仕様変更になったりする。
ということで、そんな緩いアストンマーティンの仕様変更の一部を覗いてみる。
運良くV8ヴァンテージを撮影できる機会があったので、その時の写真を用いて説明します。この記事内における便宜上、
白いV8ヴァンテージを前期型、V12ヴァンテージを後期型とします。
※ヴァンテージには明確な前期・後期の定義は公式には存在しないので便宜上とした
まずはフロント。バンパーの形状とグリルの形状が異なる。ボンネットはV12ヴァンテージだけに採用されているもの。
黒い私の後期モデルに装着されているバンパーは、のちにV8ヴァンテージSに採用された。
次はドアミラーの形状だ。後期モデルの方が縦方向に大きい。これもどこかのタイミングで大きなサイズに変更されたのだろうと推測される。
次はリアを見てみよう。リアバンパー形状が大きく異なる他、前期モデルにはナンバープレートの両脇にカバーが着いているが、後期モデルにはそれが無い。このカバーは2008年頃のモデルを境に廃止されたようだ。
バンパー全体の形状を見ると、後期モデルの方が空力性能を向上させる為か、より開口部が大きくダイナミックなものになっている。前期モデルの方が大人しく、上品にも見える。
他にも、トランクリッドの形状が異なる。後期モデルはトランク中央部が伸び、ダックテールのようになっている。この点はDB9の前期と後期でも同様の変更が行われており、いずれもスポイラー形状の強化によるダウンフォースの増強が目的だろうか(DB9のエクステリアデザインについての記事)。
ちなみに、V12ヴァンテージのコンセプトモデルである「V12ヴァンテージ RS コンセプト」では可動式リアスポイラーが採用されていたが、結局トランクリッドの頂点を伸ばしてスポイラー効果を得る現在の形状が選択されたという経緯がある。
横から見ると、後期モデルのトランクリッドが大きくせり出している事が分かる。
そうそう、クリアテールも後期モデルの特徴のように思えるんだけれど、実は前期モデルでもどこかのタイミングでクリアテールが選択可能になっていたみたい。だから、前期モデルのトランクリッドにクリアテールという組み合わせも存在する。
エクステリアの違いだけ見ても、いかに「前期か、後期か」で区切る事が難しいかが分かったと思う。だから前期後期などいう区切りは存在しないと個人的に思っている。
グラデーションのように少しずつ仕様が変更されて時を重ねたと言えば良いだろうか?買う方としては迷惑な話だっただろう。
ちなみに「仕様やオプションの選択肢がコロコロ変わる」というのは今も健在のようで、こんなツイートを頂いた事があるし、ヴァンテージを見に行った際の記事でもそんな記事を書いた。
当初”Yスポークホイール”が標準+オプションで選べたものの、直ぐに選択肢から外れて、次はDB11のオプションだった10スポークディクショナルホイールが標準になった気がするんだけど、それも選択肢から外れているとは… https://t.co/mUTfEWKVWp
— 200NotFound (@200NotFound) February 26, 2020
会社の存続も、車の仕様も流動的なのがアストンマーティンの流儀なのかもしれない。